キリスト品川教会：
人で賑わう、あたたかな“近所の教会”

　教会の生みの親である佐伯倹牧師が、品川区五反田で開拓伝道を開始したのは1935年のこと。1941年には日本基督教会五反田教会（日本基督教団五反田教会）としてスタートしましたが、1945年に空襲で教会が焼失。しかし、佐伯牧師は諦めずに伝道を志し、敗戦後に米軍によって占領されていた品川御殿山ハラハウス庭内の坐禅堂にて礼拝を再開しました。

　その後、米軍占領解除とともに立ち退きを要求されましたが、1949年に２回実施したバザーの収益によって、1951年に現在の地において礼拝堂を建設することができました。1966年には町づくりと奉仕活動を目指した「品川地域センター」が併設され、一般の人々が参加するダンス教室やピアノ教室などを通じて、教会と地域との交流が始まったのです。

　この、教会の危機を救ったバザーがルーツとなる“秋のバザー”こそが、毎年10月に開催され2015年で68回目を迎えた、3000人もの来場者で賑わうイベントなのです。当日は、教会の人たちや併設の幼稚園の保護者が準備した衣料品や手芸作品を扱う店やゲームコーナーなどが並びます。掘り出し物を期待して早朝から並んでいる人もいるとか。開催日時を教会ホームページでチェックして、早めのお出かけをおすすめします。

　また、ダンスやピアノ、バイオリンなど、各種教室も充実。なかでも注目したいのは、メサイア合唱団。毎年6月に団員募集が行われ、12月の公演に向けて練習に励んでいます。1992年の初公演の募集時には150人だった団員も、徐々に増えて現在では約180人となり、イエス・キリストが再び来臨してくれることを願う“アドベント”の公演で大きな感動を呼んでいます。

「礼拝をはじめ、教室やイベントなどをきっかけに、たくさんの人に教会へ訪れていただきたいと思っています。礼拝堂ではコンサートやミュージカルなども開催されていますし、日曜の礼拝には通りすがりの人がふらりといらっしゃることもありますよ。教会のなかにあるものを人生に活かしていただければ」とお話しくださったのは３代目となる吉村和雄牧師。

　イベントの際に、お散歩のついでに、または新たに習い事を始めるために、気軽に立ち寄れる聖なる場所。「キリスト品川教会」での出会いは、毎日の暮らしに心の豊かさをプラスしてくれそうです。